Google Chat Bot開発の設計パターン|Webhookとの違い・応答・承認フロー

Google Chat Bot(Chatアプリ)の設計パターンを解説。Webhookとの違い、メンション応答、スラッシュコマンド、承認フロー、問い合わせ対応Botの作り方を整理します。

著者: SakuraAI 編集部監修: 湯田英也公開: 最終更新: 6
目次
30秒でわかる結論

結論、Google Chat Botは、Webhookでは扱えない双方向処理を担います。メンション応答、コマンド、カードのボタン、ダイアログ、承認フローが必要になった時点で、Bot(Chatアプリ)に切り替えます。通知だけならWebhookで足りますが、操作を返すならBotの領域です。

通知だけならWebhookで十分です。しかし、ボタンで承認したい、メンションへ返したい、入力を受けて分岐したいとなると、Chatアプリが必要になります。この記事では、単なる機能一覧ではなく、どの要件でBotに切り替えるかを整理します。

先に判断する

方式向く要件強み限界
Webhook固定スペースへの一方向通知最小構成で早い受信や応答はできない
Chatアプリメンション応答、承認、対話双方向の操作ができる認証と実行環境が必要
Apps ScriptGoogle Workspace起点の小規模連携実装開始が早い大規模運用には限界がある
Chat API + 外部基盤複雑な業務ロジックや高可用性保守と拡張に強い構成と運用が重い

Botは便利ですが、何でもBotにすると重くなります。通知だけの要件に双方向処理を載せる必要はありません。逆に、承認や問い合わせをWebhookで済ませようとしても、これは設計として無理がある。この線引きを最初にやるだけで、あとの実装がずいぶん楽になります。

Q. Botにするかどうかの判断はどこで?

A. ユーザーから返答を受ける、ボタンで状態を変える、対話で分岐する——このどれかが入ったらBotです。逆に言えば、一つも当てはまらないならWebhookで十分。判断はこれだけでほぼ決まります。

Q. 承認フローを作るとき、最初の論点は?

A. UIではありません。誰が承認できるか、承認結果をどこに残すか、後から監査できるか。この3つを先に決めます。見た目のカードから作り始めると、記録と権限が後回しになって、あとで作り直すことになります。

Q. 小さく始めたいのですが、どこから?

A. まずWebhookかApps Scriptで通知を出すところから。ユーザーの操作を受けたくなった時点でBotに広げれば十分です。最初から全部を見込んで大きく作る必要はありません。

BotとWebhookの違い

観点WebhookBot(Chatアプリ)
方向一方向双方向
できること通知を送る応答、承認、入力、状態更新
準備URLを発行するCloud設定と受信処理が必要
向く用途監視、バッチ、定期報告FAQ、申請、承認、問い合わせ

Webhookは送るだけです。Chatアプリは受けて返す仕組みです。ここを曖昧にすると、要件に対して過剰に作るか、逆に足りないものを無理に押し込むことになります。

Bot開発に必要なもの

一般には、Google Cloudプロジェクト、Chat APIの有効化、受信エンドポイント、実行環境が必要です。実行環境はサーバーアプリでもApps Scriptでも構いません。小さく始めるならApps Script、運用まで見るなら外部基盤という整理が現実的です。

01

ユーザーがメンションやコマンドを送る

対話の起点

標準機能
02

Chatアプリがイベントを受ける

入力を解釈する

要開発
03

業務ロジックで判断する

承認、検索、分類を実行

要開発
04

Chatへ返答する

結果と次アクションを返す

標準機能
標準機能で対応開発・設定が必要

Bot開発の構成手順は、機能追加や権限制御の見直しで変わります。実装前に公式の Chat アプリ概要と認証関連の最新情報を確認し、要件に対して最小権限で設計します。

設計パターン1:メンション応答Bot

スペースでメンションされたら、内容に応じて返答します。社内FAQ、用語検索、ステータス確認に向きます。一次対応をBotに寄せると、担当者の取りこぼしが減ります。

社内FAQ
FAQ Bot10:12
質問を受け付けました。 問い合わせ種別: 申請フロー 担当: 総務 参照: 社内手順書の該当章を確認してください。
メンションへの一次応答は、回答本文よりも正しい参照先へ案内する設計が重要です。

設計パターン2:スラッシュコマンドBot

決まったコマンドで操作を呼び出します。勤怠の打刻、定型レポートの取得、検索など、入力を構造化したい場面に向きます。

コマンド設計向く用途注意点
/status稼働状況や申請状態の確認返答を短くする
/report定型レポートの取得対象期間を明示する
/search社内検索結果件数が多いときの絞り込みを用意する

設計パターン3:承認フローBot

承認依頼をボタン付きカードで投稿し、押されたアクションに応じて状態を更新します。Botの価値が最も出やすいのは、この手の業務です。

稟議_承認
承認Bot11:00
承認依頼: 備品購入 申請者: 田中 金額: 48,000円 用途: 開発用モニター
承認依頼をボタン付きカードで投稿。押下者と日時を記録し、監査に耐える形へ寄せます。
設計要素やること目的
申請内容カードで見せる判断材料を揃える
ボタン承認、却下、差戻しを置く操作を限定する
記録押下者と時刻を保存する監査可能にする
通知結果を申請者と関係者へ返す放置を防ぐ

承認フローは見た目より記録が重要です。誰がいつ何を承認したかを残し、権限のないユーザーが操作できないようにします。表示できることと、変更できることは分けて設計します。

設計パターン4:問い合わせ対応Bot

社内問い合わせを受け、内容を分類し、担当へ振り分けます。よくある質問は自動回答し、難しいものは人へエスカレーションする構成が現実的です。

応答の種類Botの役割人へ渡す条件
定型FAQ即時回答根拠が曖昧なら渡す
分類担当先を振り分ける情報不足なら追質問する
例外受付だけする権限や判断が必要なら人へ回す

どこから通知で、どこからBotか

  • 通知で十分: 一方向のアラート、レポート、定期投稿
  • Botが必要: 応答、コマンド、承認、対話
  • 迷う時: まずWebhookやApps Scriptで始め、受信が必要になった時点でBotへ広げる

全体像はGoogle Chat APIの解説を参照してください。

Q. Bot開発で最初に決めるべきことは?

A. 機能ではなく境界です。通知で終わるのか、入力を受けるのか、承認までやるのか。ここを先に決めておかないと、機能を足すたびに認証や実行環境を作り直すことになります。

Q. 承認Botで一番やりがちな失敗は?

A. 見た目のカードにこだわって、記録と権限を後回しにすることです。承認は『誰がいつ何を承認したか』が残らないと意味がありません。表示できることと変更できることを分けて設計してください。

Q. Apps Scriptと外部基盤、どちらで作るべき?

A. 小さく試すならApps Scriptで十分です。処理量が増えたり、監視や高可用性が要るようになったら外部基盤へ。最初から大きく作らず、必要になってから移すほうが結果的に速いです。

SakuraAIで支援できること

SakuraAIでは、Google Chat Botの設計と実装を支援しています。承認フロー、問い合わせ対応、社内コマンドを、通知で足りる範囲とBotが必要な範囲に切り分け、過剰開発を避けた構成で実装します。「とりあえずBotを作る」ではなく、通知で済むところは通知で済ませる。この見極めが、運用の軽さに直結します。

よくある質問

BotとWebhookはどう使い分けますか?

一方向の通知だけならWebhookで十分です。メンションやコマンドに応答する、ボタンで承認・操作を受け付ける、対話的に処理するなど双方向の動作が必要な場合にBot(Chatアプリ)を使います。

Bot開発には何が必要ですか?

一般に、Google Cloudプロジェクトの作成、Chat APIの有効化、Botの構成(受信エンドポイントや実行環境)が必要です。Apps Scriptを実行環境にする方法もあります。要件に応じて構成を選びます。

承認フローはBotで作れますか?

作れます。承認依頼をボタン付きカードで投稿し、押されたアクションに応じて状態を更新する設計が一般的です。誰がいつ承認したかを記録し、監査できるようにすることが重要です。

どこまでWebhookで、どこからBotにすべきですか?

一方向の通知で完結するならWebhookで十分です。ユーザーのメッセージやメンションに応答する、ボタンで承認や状態変更を受け付ける、対話で分岐する——このどれかが必要になった時点でBot(Chatアプリ)に切り替えます。要件がないのに双方向を作り込むと、認証と運用が重くなるだけです。

参考・一次情報

湯田英也

Reviewed by

監修者: 湯田英也

SakuraAI株式会社 代表 / ソフトウェアエンジニア

Google Chatの導入・移行、Google Workspace連携、Google Chat API / Webhook / Bot、Gmail・Meet・Drive・Calendarをまたぐ業務自動化領域を監修しています。

Google公式情報、各プロダクトの仕様、実務での運用・開発観点をもとに、企業が導入判断・運用設計・自動化設計を行える内容になるよう確認しています。

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