ビジネスチャットの料金は、月額を横並びにすると判断を誤ります。Google ChatやTeamsは、Google WorkspaceやMicrosoft 365との関係で見るバンドル型。SlackやChatworkは、単体で人数と機能を見やすい単体課金型です。すでに使っている基盤、管理機能、外部連携、履歴移行、社内教育まで含めた総コストで比べてはじめて、実際に安いツールが見えてきます。
本記事は2026年6月28日時点の公式公開価格をもとにしています。価格・割引・プラン名・機能範囲・表示通貨は改定されます。調査時点で、Google Workspaceは公式ページ上でNZD表示、SlackはUSD表示、MicrosoftはJPY表示でした。最終判断では各社の公式料金ページで最新の条件を確認してください。
「結局どれが安いのか」——よく聞かれますが、正確には自社の契約状況と利用範囲で変わります。ここでは公式の公開価格を起点にしつつ、価格が改定されても使える比較軸として、課金構造と総コストの見方を整理します。
まず、公開価格を並べる
| ツール | 公式公開価格(調査時点) | 見方 |
|---|---|---|
| Google Chat | Workspace Business Starter NZ$10.50 / Standard NZ$21 / Plus NZ$33 | Workspace契約全体の一部として見る |
| Slack | Pro US$7.25(年払い)/US$8.75(月払い)、Business+ US$15(年払い)/US$18(月払い) | 単体課金とAI機能の範囲を見る |
| Microsoft Teams | Microsoft 365 Business Basic ¥899 / Business Standard ¥1,874(年払い) | Teams単体ではなくMicrosoft 365で見る |
| Chatwork | Free ¥0 / Business ¥700(年契約)/ Enterprise ¥1,200(年契約) | 必要機能でフリープランとの差を見る |
見ての通り、通貨も含む機能もバラバラです。Google WorkspaceはNZD表示、SlackはUSD、TeamsとChatworkはJPY。これを単純に横並びにしても意味がありません。比較でやるべきは、通貨を揃えることではなく「何を含んだ価格か」を揃えることです。
料金は2つの構造に分かれる
| 課金構造 | 該当ツール | 考え方 | 注意点 |
|---|---|---|---|
| バンドル型 | Google Chat / Teams | WorkspaceやMicrosoft 365の契約と一緒に見る | チャット以外の機能も含めてプラン差を確認 |
| 単体課金型 | Slack / Chatwork | チャット単体の人数・機能で見る | 人数増加・管理機能・連携で費用が変わる |
つまり、すでにWorkspaceやMicrosoft 365を使っているなら、その中のGoogle ChatやTeamsは「追加でいくら払うか」がほぼゼロに近いこともある。逆にSlackやChatworkは、そのツール単体の費用として素直に見積もれる代わりに、人数が増えるほど月額が効いてきます。この構造の違いを踏まえずに月額だけ比べると、判断を外します。
総コストに効く要素
Decision chart
総コストに効きやすい項目
SakuraAIがチャット選定相談で使っている定性的な整理です。公式スコアではなく、総コストへの影響度を相対的に示しています。
WorkspaceやM365と別契約を増やすかが最も大きい
全社展開では人数差が月額へ直撃する
監査・外部共有・履歴保持・退職者対応で差が出る
履歴・添付・通知ルール・教育の工数が積み上がる
標準機能で足りるか、開発が要るかで差が出る
要は、月額の数字より「今の契約に含まれるか」「何人で使うか」「移行にどれだけ手がかかるか」のほうが、最終的な支払い額を大きく動かします。とくに既存契約との重複は、見落とすと一番もったいない部分。似た機能に二重で払っている、というのはよくある話です。
無料プランをどう見るか
無料プランは、少人数や試用にはとても有効です。ただし本番運用では、履歴・検索・管理・外部共有・サポートあたりが壁になりがち。「無料で始められるか」ではなく「本番で管理できるか」で見るのが正しい判断です。過去ログがどこまで残るか、退職者や外部共有を管理できるか、業務停止時に社内だけで解決できるか——このあたりが要件に引っかかるなら、有料プランを前提にしたほうが結局は安全で安く済みます。無料枠は、操作感と現場の反応を確かめる検証用と割り切るのがおすすめです。
総コストで比べる手順
契約確認
既存のWorkspace/M365を確認
機能棚卸し
履歴・管理・連携を分ける
移行見積もり
履歴・添付・教育を含める
総コスト比較
月額+運用工数で判断
実務では、公式ページで最新価格を確認したうえで、10人・50人・100人など自社の人数で見積もり、そこに移行工数と管理工数を足して比べます。この一手間を入れるかどうかで、導入後に「思っていたより高かった」となるか、想定どおりに収まるかが分かれます。機能を含めた総合比較はビジネスチャット比較2026、Workspace利用企業の視点はWorkspace企業がGoogle Chatを選ぶメリットを参照してください。
SakuraAIで支援できること
SakuraAIでは、ビジネスチャットの選定を、料金構造と総コストの観点から支援しています。既存基盤・人数・必要機能・管理要件・移行方針を踏まえ、月額だけに偏らない現実的な比較と意思決定をサポートします。
Expert Q&A
料金判断で聞かれること
湯田英也SakuraAI株式会社 代表 / ソフトウェアエンジニアQ. Google Chatは料金面でどんな会社に向く?
A. すでにWorkspaceを使っている会社です。メール・ファイル・会議・チャットを同じ契約と管理基盤で扱えるので、チャットのために別ツールを追加契約せずに済む可能性が高い。ここが一番の強みです。
Q. 料金比較で見落としやすいコストは?
A. 移行と教育です。履歴や添付をどう扱い、スペースや通知ルールをどう作り、現場にどう説明するか。ここの工数は月額表には出てきませんが、実際にはかなり効いてきます。
Q. 最終判断はどう進めるべきですか?
A. 公式料金ページで最新価格を押さえ、自社の人数で見積もる。そこに移行工数と管理工数を足して総額で比べる。この順番なら、あとから『安いと思ったのに』とはなりにくいです。
よくある質問
結局どのビジネスチャットが一番安いですか?
一概には言えません。すでにGoogle WorkspaceやMicrosoft 365を使っている会社では、Google ChatやTeamsを既存契約内で使える可能性があり、追加コストを抑えやすいです。一方でSlackやChatworkは単体プランとして評価しやすい反面、人数・機能・連携で費用が変わります。
無料プランで十分ですか?
少人数や試用には有効ですが、業務利用では履歴、検索、管理、外部共有、サポート、セキュリティ要件が壁になりやすいです。無料枠は本番導入ではなく、操作感と運用イメージの検証用として見るのが現実的です。
料金以外に見るべきコストはありますか?
あります。導入教育、管理者の運用、外部連携、Bot通知、履歴移行、添付ファイル整理、旧ツールとの併用期間がコストになります。月額だけでなく、これらを含めた総コストで比較してください。
Google Chatは無料ですか?
個人アカウントで使える範囲はありますが、企業利用ではGoogle Workspaceの契約内で使う前提で考えるのが現実的です。Workspaceのプラン、管理機能、ストレージ、Meet、Gmailなどとセットで評価してください。
参考・一次情報
移行相談
Slack・ChatworkからGoogle Chatへの移行を相談する
履歴・添付・スペース設計・通知ルールを含めた移行を支援します。
移行を相談する